社会の変動とは何か、その向こう側
社会の変動とは何か、その向こう側

古来から人間は、自らを取り囲む森羅万象が変化したり、モノや生命、現象が生まれたり消えたりすることに深く関心を持つとともに恐怖や畏怖を持ってきた。

 その興味や畏怖は、自分たちが形作る「社会」の変動についても同じく尽きることがなかった。古今東西の知識人は社会の変動についてそれを説明する数多くの説を思考し、議論をしてきた。一日として同じ状態が維持されない毎日の生活と、そこから生じる様々な軋礫が、知識人たちにインスピレーションを与え、多様な論説が生み出されたのである。

社会の変動に対する興味と探求心は、哲学で扱われ、その後様々な学問が生成させていく中で、社会変動は常に重要なテーマの一つだった。そして、近代に「社会学」として一つの学問分野として成立する背景になったと理解できるだろう。

ただし、完壁に社会変動を科学的に理論化し、その原理を捜し出すのは困難で、社会学もその材料となる考察を残してきた段階である。

森羅万象のすべてが常に転変し、生滅したり、変化してやまない現象について、古今東西の別なく、ほぼすべての人が関心事にしてきました。これらの社会の変動について、古今東西の宗教家や思想家、知識人が膨大な思想を語っています。変化に富む日常生活とそこから生ずる様々な軋礫こそが、種々の歴史哲学や思惟を生みだしたともいえるでしょう。社会学の成立も、社会の変動に対する視点が重要なきっかけとなっていることは間違いないでしょう。

社会の様々な変化を個々に記述することや、特定の社会変動の事例を経験的に解明することは数多くなされています。ですが、そうした個別の考察を総合し、一般化し、理論にまで深化させた研究となると、その数はかなり限られています。

完壁な社会変動の理論を捜し出すのは今日でも困難なのです。まず社会学の草創から中期にかけて活躍したコント、スペンサー、テンニース、マッキーヴァーの手になる段階論があります。さらに、マルクスとダーレンドルフを社会的葛藤ないし社会的対立との関連で、次にデュルケム、ヴェーバー、パーソンズを社会秩序との関連で取り上げたいでしょう。